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「それでまんまと何もせず逃げ帰ったと」
『…ヤバい人じゃん、逃げるでしょ』
「せめてなんかさぁ〜…ね？あるじゃん？」
＿＿一晩だけでも寝るとかさ。
そう言った美鈴ちゃんの背中を力強く叩く。
いったーい！！と悶える姿に、我ながらざまあみろと思った。
「大人ならそういうのあるじゃんかぁ」
『そんな冗談言えないくらい、ヤバいの』
「確かに、その諸々の発言はね？」
『…しかも名前、教えてないのに私のフルネーム知ってた』
私がそういったのが最後、店には沈黙が流れた。
ガチ？と真面目なトーンで聞いてきたので
ガチです。と一言お返しする。
「Aちゃんは変な男に捕まるし、世の中は物騒だし」
『物騒？』
「君が昨日デートしてる間にまた起きたんだよ、あの事件。」
慣れた手つきでスマホのニュースサイトを開いた。
画面に表示されたのは
''またもや！アプリ婚殺人事件''の文字。
『あー…またか』
「生きたまま顔面にバツ印って、聞くだけで震える」
『悪趣味なのは確かだけど、なんでこんな事するんだろ』
「さあ〜…ここまで来るとサイコパスだよ」
被害者同士に繋がりはないらしい。
無差別とも言えるこの最悪の連続殺人は、
随分と前から起きており、捜査は難航しているようだ。
幸せが、崩れる瞬間。
目の前で大切な人が息絶える瞬間がどんな物か
想像することすら出来ない。
父が消えたあの日、私は泣くことは出来なかった。
未だに帰ってくるんじゃないか、そんな事を思う時もある。
「まあAちゃんは次に期待だね」
『未だに連絡くるし、もう嫌だよ』
「執着心すっご、気に入られてるじゃん」
『勘弁して』
でも危ない時はちゃんと言ってね、と
頭を優しく撫でてくれた。
＿＿＿彼女には幸せになって欲しい。
結婚を控える彼女の左手の薬指には幸せの証が輝いていた。
帰り道の地下鉄、窓際に立つ。
夕方の割には、人があまり多くない。
ヘッドフォンを付けて、シャッフルで曲を流した。
''あなたもそう思うでしょう？''
昨日の彼の言葉が頭をよぎる。
隠された本当の姿？私が悪魔？
確かに出来は良くなかったかもしれないが、
真面目に、真っ当な人生を生きてきた筈だ。
車内がガタンと揺れた拍子に身体が傾き、
思わず顔を上げる。
＿＿＿何故？
暗い窓越しに映った見覚えのある銀髪。
ゆっくりと視線が交わる。
今日は早上がりした。いつもと電車の時間は違う。
偶然とは呼びがたいその状況に
喉が静かに鳴ったのが分かった。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
