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【今夜、家に来てください。】
彼とのトーク画面に送った言葉。
返事が来るのは早く、分かりましたと一言だけ添えられた。
……吐夢さん。どうか私の知らない事を全て教えて欲しい。
彼と出会ってからというもの、おかしなことばかりだ。
最愛の友人も、姉も、私にとっての''居場所''は全て失った。
そんな時に唯一、愛せるかもしれない。そう思った相手は
姉のかつての＿＿＿＿＿友人、もしくは恋人かもしれない。
洗面所で見たゴムの跡。車椅子ごと浴室へ入ったと考えても、あんな跡はやはりつかない。
ゴム……何故か思い浮かべたのは、彼のゴム製の長靴だった。
姉が自ら？笑える。そんなわけが無いのだから。
嫌でも血の繋がった妹なのだから分かる。あの身体になってでも尚、誰かに愛されたいと願い孤独を嫌う女だった。妹の人生を奪ってまでも、自分がヒロインでありたかった人間だ。
彼女が消えたことを知れば、きっとそれなりの人が悲しんでくれるだろう。
かつて学を共にした多くの友人、姉の世話をしていた病院の人達、いつも姉の事を心配そうに見ていた近所の住人。
……吐夢さんは、悲しむのだろうか。
リビングで一人腰掛けてから、どれほどそうしていたか分からない。突如鳴り響いたインターホンは、きっと彼が押したものだ。立ち上がり、玄関へと出向いた。
『……吐夢さん』
「こんばんは。どうされましたか？」
変わらない笑顔。いつもどこか、生気が無い。
入ってください。そう言うと、ブコブコと長靴の音を鳴らしながら玄関の戸をくぐった。
『…単刀直入に言います』
椅子に掛けた彼の前にコーヒーを出した後、正面に座り問いかけた。その目が真っ直ぐ私を捉え、細める。
『姉のことを、知ってたんですね』
「急ですね。何故そう思うんです？」
『…アルバムを見ました。高校の時の』
驚くような反応はない。むしろ、待ち望んでいたかのような顔。手の平に汗が滲む。その手にギュッと力を込めた。
『姉は頑なに見せたがらなかったんです。事故のことを、思い出すからだと思います。』
『でも私、そのアルバムを見たんです。そして思い出しました』
『私は吐夢さんと一度顔を合わせてる事を』
嬉しそうに口角を上げた。愛しいものを見るように、愛でるように私を見つめる。
『吐夢さん、なんですか』
「何が…でしょうか」
『姉を＿＿＿＿殺したのは』
気を抜けば、息をするのを忘れそうな空気。
あは、と乾いた笑い声を上げた。やけに美しく、冷たい声だ。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
