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焦らず、少しずつでいい。
友人を失い、昔から姉に劣等感を抱え、
遂にその存在すら疎ましく感じている。
血の繋がりを持つ姉より、僕に縋っているという快感。
今の彼女は、壊れかけた人形のようだ。
だが＿＿＿＿＿姉･佳奈のように壊したくはない。
壊すのではなく、守りたい。
腹違いの僕の姉、輪花にも似たような感情はあったが
身体の関係を求めたことも無ければ、キスした事も無い。
傍にいるだけで良かった。彼女への気持ちはきっと''家族愛''だった。
だが今抱えているこれは…おそらく違う。
もっと触れたい。僕だけが知らない彼女を知りたい。
僕の腕の中に閉じ込めていたい。僕だけを見て、
僕だけにその声を聞かせて欲しい。
一度欲すると、その欲は泉のように沸いて出てくる。
人間という生き物の汚い所だ。
隣で目をキラキラさせながら、水槽を見つめる彼女。
＿＿＿あなたの為なら、僕は。
邪魔な存在は、排除しなければならない。
彼女を知った直後まず考えたのは
あの女、宮川美鈴を消すこと。
マッチングアプリで出会った男と結婚した事により
僕にとっては、消す理由も出来て都合の良い存在になった。
幸運なことに、父親は既に自らの手で他界。
彼女の心を傷つけたのだ。
僕がこの手にかけてやりたかった気持ちもあるが、仕方ない。
高校時代も友人に恵まれなかった彼女。
そうなると、残るのは＿＿＿＿＿＿。
『吐夢さん？』
「…すみません、少し考え事をしていました」
もし''そう''したら、彼女は悲しむだろうか。
いや…きっと、喜ぶはずだ。僕だって騙されていたのだ。
愛されていたくせに、愛されていないフリをしたのだから
消されたって、仕方がない。あんな嘘、神も許すはずが無いんだ。
「Aさん」
「これからはずっと、僕が居ます」
水族館から出て、彼女の手を強く握りしめた。
どこか嬉しそうなその表情は
つい先日まで、僕に向けていた顔とはまるで別人だ。
送りますと告げると
そういえば家まで知られてましたね、と笑った。
＿＿＿＿まずは、もう一度。
今度は確実に、完全に、壊してあげなければ。
赤く染まった空。
それはどこか美しく、不気味だった。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
