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翌日、朝の10時半。
どんよりとした雨模様。
…浮かない気持ちを加速させるようで鬱陶しい。
レジ後ろに重ねられたCDを整理する。
この作業は嫌いではない。
この人の新曲出たんだ、とか
このジャケットかっこいいな、とか。
新しい発見があるのは楽しい。
「さっきからどうしたの？変な顔しちゃって」
『え？あー…そう？』
「…もしかして、またなんかあった？」
例のマッチングアプリ男とか？と、勘のいい美鈴ちゃん。
話そうと口を開きかけたが、
彼女は遂に今週末、結婚式を控えていた。
そんな幸せ絶頂な彼女に、心配はかけたくない。
『私の美鈴ちゃんが、お嫁に行っちゃうなーって』
「何それ、可愛いヤツめ」
婚姻届は、式の後に提出するらしい。
式の予定が決まった時、真っ先に
Aちゃんは絶対！来てね！！と貰った招待状。
「花嫁姿、見てもらえるのが嬉しいよ」
『私泣いちゃうかも、結構本気で』
「やめてよ、それ見て泣いちゃうから」
愛されている彼女はキラキラしていて、綺麗だと思う。
今も嬉しそうに笑う顔を見て
羨ましいとさえ思ってしまう。
「ほんとに、何も無い？」
『え〜？ないよ、心配しすぎ』
「当たり前でしょ、妹みたいに思ってるのよ」
私には、甘えられる相手など誰もいない。
そんな中、そう言ってくれるのはいつも美鈴ちゃんだけだった。
『もう、充分甘えてるよ、ありがとう』
「…そっか」
優しく頭を撫でてくれる手が、私は好きだ。
母にも父にも、撫でられた記憶が私にはない。
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あれから''彼''と接触することはなく
無事に週末の結婚式を迎えた。
彼女は、誰よりも綺麗だった。
愛する人の隣に立ち、永遠の愛を近い
真っ白なドレスを纏った姿はまるで天使のようだ。
ブーケトスはしないと言っていたが
おめでとう、と言いに行った時
直接私にブーケを渡してくれた。
「次は、Aちゃんが幸せになってね。」
誰よりも輝いていた。
涙を浮かべながら笑いかけてくれた美鈴ちゃん。
大好きな人が、幸せになった瞬間。
……それが、私が見た彼女の
最後の笑顔になるとは知らずに。
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蒼(プロフ) - のんさん» 初めまして！よかったです…！😭吐夢くんの重さならきっとヒロインちゃんを1人逝かせることは無いよな…と思いニヤニヤしながら書いてました☺️笑とても素敵なコメントありがとうございます😭 (3月24日 11時) (
レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 更新ありがとうございます！元々の終わり方も好きでしたが、Another endの方も好きでした...！吐夢くんとなら地獄でもどこへでも行きたいですね← 最高でした...(語彙力なくてうまく伝えられずすみません😂) (3月24日 7時) (レス) @page37 id: 54603a8b2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 零さん» ありがとうございます🍀✨好きなエンドが別れるかなと当方も書きながら思っていたので、Anotherの方で楽しんでいただけて良かったです…！素敵なお言葉ありがとうございました☺️🌷 (3月23日 16時) (レス) id: 17192916b3 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんにちは。作品を一気に見て感想の方をコメントさせて頂きました。私、個人的にはAnother endが好きな終わり方だったな、と勝手ながら思いました。勿論、本編の方もドキドキしながら読ませて頂きました。素敵な作品を有難うございます。長文失礼しました。 (3月23日 16時) (レス) id: 46e0494878 (このIDを非表示/違反報告)
ニー(プロフ) - 蒼さん» あ、そうなんですね！分かりました！また機会があるときにお願いします！ (3月20日 11時) (レス) id: e747ca13ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月4日 13時
